郵政解散や高校野球で熱い戦いが繰り広げられている今日、終戦60年目を迎えた。
終戦当時からみれば世代が大幅に入れ替わっているにもかかわらず、靖国、領土、北朝鮮問題などで近隣諸国との摩擦がいまだに生じて、何かと戦争責任を問われる、これでは安らかに終戦と平和を喜べず残念だ。
我が国、そして国民は多くの命を捧げ、過ちを何度も謝り、経済援助や人道支援も続けてきたのに、各国のお国の事情も絡んで、なかなか未来志向で友好関係の地平が拓けないようだ。
いずれにしても戦争を知らない日本の世代が、未だに懺悔を背負わされ続けられねばならない状況を早く打開しなければと、思う次第。
思想的なことは別にして、戦後60年の齢を謝しつつ、お盆でもあり、戦死した伯父・叔父も含めて犠牲となった方々の御霊を安らかにお迎えすることにしよう。
そして、追憶した拙句をここにあらためて記しておこう。
・芋作らん校庭凸凹児であふれ
・わら草履白き道草食む習い
・疾き流れねぎの切れ葉をすくいしや
・雑炊や児が盗掘し子じゃがいも
・着物提げ母は農家に糧乞いし
・ひもじくもはかなき悪戯蔵の中
・天高く敵機音なくきらめきて
・空襲や光芒あまた夏の夜
・南風吹くや村落上空灰の舞い
・草いきれ低空かすめ米軍機
・焼け出され母子身を寄す盆の郷
・玉音に取り残されし夏の空
そして今日の作を追加。
・夢うつつ戦後六十年や蝉しぐれ
(2005年8月15日)
戦後六十年の空蝉
俳句 淀風庵