風光るさわやかな休日。
 15年前に大阪花博覧会が開かれた鶴見緑地公園へコンビニ弁当と缶ビールを買って出かける。
 
 日・英・韓・中の4ヵ国語で記された各国・地域のプレートが出展跡地に残されており、建造物や池、川などの施設の一部が面影を偲ばせる。


 大きな敷地を占めている日本庭園の池にはカルガモやサギがのどかに遊んでいる。
 また、オーストラリアのティーツリーの木や、ハワイの椰子の木など各所の樹木はのびのび育ち、青々と茂っている。そして、大ぶりの花水木が淡紅色の花をたわわに咲かせている。 
   
 また、噴水広場では明るい日差しを受けて水を浴びたり、逃げ回っている裸の子達の白い肌が輝いている。
 和太鼓のリズムに合わせて、天神祭のきつね踊りを巧みに踊っている子供もいて、思わず立ち止まり注目。
 
 印象に残ったのは、あちこちの木陰でカラオケで歌っているグループがいたことである。以前は2、3組だったが、今日は5、6組はいた。いずれも、シルバー
が主役である。
 着物姿で踊っている女性が主役のグループもあるし、数人で輪になって音頭のように跳ね踊りしているグループもあった。
 そんななかで、生演奏だけのグループを見かけた。ギター4人、ハーモニカ1名、マラカス1名、キーボード1名の編成。60歳くらいに見える女性が観客に向って指揮らしき手振りをしていたが、本人が自ら実は70歳だという。その他の男性全員も60、70代である。曲目は『落葉しぐれ』とか『湖畔の宿』のような戦前戦後のヒット曲であった。思わずホロリとくる。
  
 ♪旅の落葉が しぐれに濡れて
  流れ果てない ギター弾き
  のぞみも夢も はかなく消えて
  唄もなみだの 渡り鳥♪

 花博開催時には、あるブースを広告クライアントが提供していた関係で、東京から2回参観に来たが、起伏のある園内に花が咲きほこり、異国情緒にもあふれた各国のパビリオン(庭園)が回廊あるいは迷路のように繋がり、夏は夕涼みの散策にと感動したり、
癒されたものである。

 花博から15年後の今年、愛知博が催されているが、報道で知るかぎり自然や人との触れ合いからくるホノボノとした楽しさや癒しがないように見受けられる。
  
 それはともかく、いろいろな世代の人達が、ペットの犬達がのびのびと楽しめるこのような空間が残されていることは素晴らしい。
                  (2005年4月25日)
 

 
 
 
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