17日の巡行の前に山鉾のお披露目が3日間催される。炎天下、山鉾がほぼ装いを施して、停留している各町内の路地や大通りを見て回った。
平日とあってオジサン、オバサンの観光客が駆け回っているが、そんなに人出は多くなくゆっくり見物できる。
日本最古の酒歌を詠ったいわれる神功皇后の像を祀る「船鉾」に500円を払って上がらせてもらう。縁に坐って見下ろすと、ちょっと怖いほどの高さが実感できた。
この御酒(みき)は 吾が御酒ならず
酒の神 常世にいます
石(いは)立たす 少名(すくな)御神の
神祷ぎ 寿ぎ狂ほし
豊寿ぎ 寿ぎ廻し
献(まつ)り来し 御酒ぞ
乾(あ)さずをせ ささ(飲み乾してください、どうぞの意)
―古事記より―
さらに「白楽天山」には、酒の詩を多く書いている唐の詩人・白楽天(白居易)の像を乗せるが、町家に飾り置かれていたその本物の像をウオッチィング。
ここぞと、屏風や着物、鎧などを陳列して、座敷に上げてくれる町家もあり、京の歴史と文化の一面に触れることが出来るのも良い。
汗ぐっしょり、足くたくた状況でスタバでの紅茶(アールグレイ)とがんこ店での寿司と吟醸生酒で一息ついて、歩行者天国となって人があふれる四条通りを歩いて、再度、長刀鉾や船
鉾、白楽天山などを見て回る。
提灯に灯りがつき、祗園囃子も各鉾で奏でられ情緒が一気に盛り上がった感じ。そぞろ歩きの見物人ではカラフルな浴衣姿の若い女性や子供の姿が目立つとともに外国人もここぞと繰り
出している。
歩き回ったせいで、帰りの電車に急いで駆け込もうとした女人が、足がもつれて蛙のようにバッタリ倒れたのには驚いた。こんなのは初めての経験だ。
連れて回った余輩のせいにされて、ああ哀しき現実哉。
(2005年7月15日)
祗園祭宵々山
俳句 淀風庵