今日、ミクシ仲間で「塩」が話題になっていた。 そこで、ハタと思ったのだが、お酒と塩の関係は浅からぬと。
・枡酒の塩盛り
塩が味覚をシャープにし、酒の本当の味が味わえるとか。
・テキーラのライム、塩でのストレートドリンク
・テキーラをベースにホワイトキュラソー、レモンジュースを 加えた「マルガリータ」
・ウオッカをベースに塩をグラスの縁にのせた「ソルティドッ グ」など
このグラスの縁に塩あるいは砂糖をつけることを「スノースタイル」というそうだ。
もともと
「カクテル」名の由来はイギリスのスラングで「塩辛野郎」ということで、ジンなどにソルトをシェイクして飲んでたそうだ。
でも、酒類によって、カクテルによって、どんな種類の塩が合うなんて話は聞いたことない。酒の美味さを殺さず、引き立てるにはマイルドで、口当たりのソフトなタイプが 合いそうだが。
日本酒を飲むときは、枡に塩を盛るよりも親指の付け根に置いて、舌でつつく方が美味いという説がある。
確かに舌で肌をなめる感触はなんともいえない味を感じてしまう。滅多に自分の肌をなめることはないもんな。
ところで、万葉集の山上憶良の歌「貧窮問答集」に、
雪降る夜は術(すべ)もなく 寒くしあれば
堅塩を取りつづしろひ 糟(かす)湯酒
というのがある。塩を肴に、酒粕をお湯でといた酒をすすっているという、貧しい暮らしぶりを詠んだものである。
塩はシンプルに酒の美味さを引き立てる効果があり、また塩は清めの儀式みたいな感覚もある。一方で、江戸時代に焼味噌が酒肴のひとつとして人気があったようで、飲んでも悪酔いしないし、味噌は塩に比べて、栄養分と味の深みの点で優れているのというので愛好されていた。
いずれにしても、昔は肴の代わりに塩で貧しい呑み方だったのが、今は小意気な呑み方なんだ。そういえば、うっかり塩を沢山なめすぎると折角の酒の味が、まさに「塩辛野郎!」になってしまった経験がある。
なんだか、塩と人肌への想いが深くなってしまった。久しぶりにカクテルも飲みたくなったぞ。
(2005年1月31日)
酒と塩
俳句 淀風庵