世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
                      (在原業平)
 やっぱり京都の桜も見ておきたいと、平安神宮の神苑を訪れる。
 池泉回遊式の苑を巡ると、あちこちに紅しだれ桜が満開、やさしく愛撫してくれるような風情で大満足。
 ところで、京都の府花は枝垂桜であり(東京の都花はソメイヨシノ)、谷崎潤一郎は「細雪」の中で、四姉妹が平安神宮の紅しだれを毎年心待ちにしていた様子を次のようにを書いている。
 『門をくぐった彼女たちは、たちまち夕空にひろがっている紅の雲を仰ぎ見ると、皆が一様に「あー」と、感歎の声を放った。…』 そういえば、吉永小百合さんが出演していた『細雪』に目を見張るような桜景色があったのを思い出した。
 
 なお、当苑には平安時代に著された伊勢物語、源氏物語、古今和歌集、竹取物語、枕草子などに記されている200種余りの草花から樹木までが、その一節や歌の紹介とともに植栽されてもいる。まことに風雅なもてなしである。
 
 また、大極殿前の広場では御神楽の歌舞が奉じられており、外国人も興味深そうに見物していた。

 神宮では。「月次厄除護札」(つきなみやくよけまもりふだ)という花御札が配られていることを知った
 季節ごとの花や樹木に秘められた花霊や樹霊によって災厄をしりぞけ、幸いをもたらす願いがこの御札に込めらている。
 全部で12種類、月々の花や樹木を描いた長さ20センチほどの薄い板の御札が陳列されていた。
 全部揃えると見た目にも楽しく、大福を頂けるかも。1枚1500円(初穂料)。 ちなみに月別の花・樹木は以下のようになっている。

 1月  松     7月  梶
 2月  梅     8月  撫子
 3月  桃     9月  菊
 4月  桜    10月  楓
 5月  菖蒲   11月  南天
 6月  竹    12月  椿
 
 夜は円山公園のベンチで缶ビールとワンカップ月桂冠に巻き寿司、ちくわ(ローソンで購入)を食しながら残り花を惜しむ。
 周りでは学生や新社会人を交えた会社員らしきグループが若い声を放ち、華やいでいたのは、毎年の光景である。
                (2005年4月16日)



 
 
 
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