酒徳ある 人とすごさん 松の内
雪割りの 酒酌む旅は 艶だちて
ありがたや 酒と情の 冬の旅
花と人 心寄せあふ 宴かな
味の旅 行きつく先は あなご寿司
短夜は 心つぎあふ 酒縁なり
酔い泣きの 酒くむ今日は 原爆忌
木曽の秋 地酒さかなは 手打そば
天高し 鯉おどる夜の 美し酒
寒き夜を 燗あつくして ひとり酒
風花と 共に旅立つ 酒徒善人
面白や 今年の冬も 酒のたび
限りなき 酒縁の旅や 雪あかり
吟醸の 香りしみこむ 花衣
忘れじな 花と酒との けふの日を
昭和30年代から長く『酒』誌の編集長をやられた随筆家の故・佐々木久子さんは俳号、柳女で俳句も詠まれている。彼女の良き日本酒に対する思いは深かった。 由 無
参考:佐々木久子『酒縁歳時記』(鎌倉書房)
俳句 淀風庵