燗酒は古来、重陽の節句(旧暦9月9日)から飲むものとされていますが、熱燗は冬の季語です。合わせて熱燗の川柳と短歌も紹介しましょう。                        由 無
                        
                                 
四季折々の酒句(冬)T
創作句集 
酒の詩歌句集目次
創作詩集りべーら
淀風庵へのお便り
平成吟醸会メモリアル
●俳句
熱燗に焼きたる舌を出しけり(高浜虚子)
酒うすしせめて燗を熱うせよ
熱燗や雪はますます積るのみ
熱燗に舌を焼きつつ談笑す
熱燗やさしみの冰歯に軋る(森鴎外)
熱燗や手酌いかしき一二杯(久保田万太郎)
熱燗やかがめたる背にすがる老い
熱燗や状書きさしてとりあへず
熱燗にうそもかくしもなしといふ
熱燗やとかくに胸のわだかまり
熱燗の贅さへいへずあはれなり
熱燗の舌にやきつく別れ哉(村上鬼城)
熱燗に酔うていよいよ小心な(高野素十)
熱燗に応へて鳴くや腹の虫(日野草城)
熱燗や食ひちぎりたる章魚の足(鈴木真砂女)
熱燗やいつも無口の一人客
熱燗や性相反し相許し(景山筍吉)
熱燗や意地を通してややわびし
ひとり酔う熱燗こぼす胸の内(山口草堂)
熱燗やふるさと遠き人と酌み(西沢破風)
熱燗やたちまち酔ひし旅姿(石塚友二)
素うどんに地酒滅法燗熱し(星野麦丘人)
熱燗もほどほどにしてさて飯と(高浜年尾)
熱燗に遠く別るる二人かな(芳野仏旅)
熱燗や人がよすぎてたよりなく(河原白朝)
熱燗や女なかなか負けてゐず(下村梅子)
熱燗にいまは淋しきことのなし(橋本鶏二)
熱燗や雨ぬれ傘を脇に置き(村山古郷)
熱燗や討入りおりた者同士(川崎展宏)
熱燗を置くや指先耳に当て(吉屋信子)
熱燗し獄を罵しる口ひらく(秋元不死男)
熱燗や男同士の労はりあふ(滝春一)
熱燗や寝酒風邪酒独り酒(清水老生)
熱燗に唄ふ音色も老いにけり(平野仲一)
母に注がれて命が熱し酒熱し(西尾一)
熱燗にまた優柔の盃を受く(雨宮虹月)
酒熱く寒の蕗の芽たまはりぬ(西島麦南)
手をあてて外から見たる酒の燗(其角)
初雪や十になる子の酒の燗
酒を煮る家の女房ちょとほれた(蕪村)


●川柳
やわ肌も熱燗もよし猪八戒(川上三太郎)
たいこ医者お燗の脈をみるばかり(江戸川柳)

●短歌
鉄瓶を二つ炉に置き心やすし ひとつお茶の湯ひとつ燗の湯                       (若山牧水)
とろとろと榾火燃えつつ烟立ち わが酒は煮ゆ烟の蔭に
にこやかに酒煮ることが女らしき つとめかわれにさびしき  夕ぐれ                 (若山喜志子)
寂しければ爐に酒を煮て今日もあり韮山山峡冬深みつつ
                        (吉井勇)
夜ふかく寝酒を酌むと酒煮れど寂しきかもよ妹の訪ひ来ぬ
なほ胸にすこし悔しき思ひありて昨夜の残りの酒を煮むとす
喉深く熱酣の酒落としつつ腹に沁みゆくまでのしばらく
                      (佐佐木幸綱) 
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四季折々の酒句(春)
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