菊酒は9月9日の重陽の節句に酒盃の中に菊の花びらを浮かべて飲むもので、禍を避ける意味があるようだ。 由 無
四季折々の酒句(秋)V
・露の菊酒かもす家の暖かさ(井上井月)
・飲む事一斗白菊折って舞はん哉 (夏目漱石)
・憂ひあらば此酒に酔へ菊の主
・黄菊白菊酒中の天地貧ならず
・菊の香や晋の高士は酒が好き ※高士=陶淵明
・兵ものに酒ふるまはん菊の花
・お立ちやるかお立ちやれ新酒菊の
・盃の酒のかおる会の名は、菊の会とする(荻原井泉水)
・これよりは菊の酒また菊枕(山口青邨)
・菊の酒人の心をくみて酌(星野立子)
・盃や山路の菊と是を干す(芭蕉)
・草の戸に日暮れてくれし菊の酒
・菊の酒葡萄のからにしたみたり(其角)
・菊の日や呑平を雇ふ貰ひ酒(一茶)
・酒臭き黄昏ごろや菊の花
・酒買て見て貰ひけり菊の花
・酒のまぬ人入るべからず菊の門
・菊園や歩きながらの小盃
・秋の暮れ水のようなる酒二合(村上鬼城)
・うっとりと酔うて夜永の太夫かな(吉井勇)
・秋の夜や泉のごとく酒鳴らす(角川源義)
・したたかに酔うてなほかつ夜長かな(江口滋酔郎)
・白玉の歯のなく秋の夜の酒(松村武雄)
・酔ひ諍かひ森閑戻る天の川(石塚友二)
・鶏頭に隠るる如し昼の酒(石田波郷)
・霧深く酔いまだしや酔芙蓉(水原秋桜子)
・徳利から徳利へ秋の夜の酒(山頭火)
・酔ひざめのつめたい星が流れた
・秋風の袂を捜る酒銭哉(尾崎紅葉)
・秋風や酒肆に詩うたふ漁者樵者(蕪村)
俳句 淀風庵
菊酒
秋の夜
秋風