吟醸抄 
雨ニモマケズ望酒詩
 宮沢賢治は岩手県花巻の出身であり、37歳で永眠する2年前に病に臥したとき手帳に記したのが「雨ニモマケズ」の詩です。法華信者としての賢治の人のために尽したいというひたむきな思いが迸っている詩といえましょう。
 この詩をもとに遊び心で作った望酒の替え歌を紹介します。
                              由 無
   
雨ニモマケズ          雨ニモマケズ
風ニモマケズ          風邪ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ    冷ニモ熱イ燗ニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ       丈夫ナカンゾウヲモチ
慾ハナク            欲ノナスママ
決シテ瞋(いか)ラズ       決シテキラサズ
イツモシヅカニワラツテヰル   イツモシヅカニノンデヰル
一日ニ玄米四合ト        一日ニ純米酒四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ     豆腐ト少シノ漬物ヲタベ
アラユルコトヲ         アラユルサケヲ
ジブンヲカンジヨウニ入レズニ  ジブンノカンジョウノママニ
ヨクミキヽシワカリ       ヨクノミテカタリ
ソシテワスレズ         ソシテワカレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ       駅裏ノ路地ノ場末ノ
小サナ萱ブキノ小屋ニヰテ    小サナ軒ノ酒屋ニヰテ
東ニ病氣ノコドモアレバ     東ニ悪酔イノトモアレバ
行ツテ看病シテヤリ       行ツテ介抱シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ      西ニヨッタオレタ女アレバ
行ツテソノ稻ノ束ヲ負ヒ     行ツテソノ靴ナドヲ拾ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ     南ニ酔死シソウナ人アレバ
行ツテコハガラナクテモイヽト  行ツテコノママネテオレバイヽト
イヒ              イヒ            
北ニケンクワヤソシヨウガアレバ 北ニケンクワノヨッパライガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ   ツマラナイカラノモウヨトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ  ヒデリノトキハビールヲナガシコミ
サムサノナツハオロオロアルキ  サムサノナツニハヌルカンヲノミ
ミンナニデクノボウトヨバレ   ミンナニノンダクレトヨバレ
ホメラレモセズ         ホメラレモセズ
クニモサレズ          クニモサレズ
サウイフモノニ         サウイフモノニ
ワタシハ            ワタシハ
ナリタイ            ナリタイ  
創作句集 
酒の詩歌句集目次
宮沢賢治「雨ニモマケズ」     淀風庵「雨ニモマケズ望酒詩」 
俳句 淀風庵
島崎藤村の酔歌
あゝ孤愁の酒場詩
白秋の浪漫酒詩
智恵子抄より「梅酒」
心平・鱒二の日本酒詩
三好達治・丸山薫酒詩
吉野弘・酒痴の詩
サトウハチロー酒詩
黒田三郎ビヤホールで
杢太郎の南蛮酒詩
創作詩集りべーら
淀風庵へのお便り
平成吟醸会メモリアル
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中原中也の独酒詩
酒歌つれづれよしな記
富士正晴の酒遊詩
林芙美子酔いしれ詩
戦地別れの酒詩
井上光晴「地酒」詩