ボードレール酒詩抄
フランスの近代詩の先駆者とされるボードレールは、36歳の時、それまでに書き溜めた詩を、詩集『悪の華』として出版。ところが、その内容が汚濁嗜好、悪魔主義的、姦淫肯定的で公共道徳を紊乱するとして告訴され罰金刑と詩六篇削除の判決を下されます。しかし、ヴェルレーヌやランボー、マラルメなど次代の詩人たちに大きな影響を与えました。また、同時代の彫刻家ロダンの作品『地獄の門』にも『悪の華』の影響が伺えます。
ボードレールは「酒と人間とは絶えず闘い合い、絶えず和解している仲のよいふたりの闘士のような感じがする。負けたほうがつねに勝ったほうを抱擁する」(『葡萄酒とハシシュ』)の名言でも知られますが、『酒』抄から神をも畏れぬ赤裸な本音の詩を抜粋して紹介します。 由 無
参考:鈴木信太郎訳『悪の華』、堀口大學訳『悪の華』
『富永太郎詩集』(創元社)
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BGM:レクエイムから
MIDI作者:Windy
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人殺しの酒 (堀口大學訳)
酔へ! (富永太郎訳)
シャルル・ボードレール
1821〜67年、象徴派詩人。父親62歳のとき後妻との間にパリで生まれ、46歳で母の手に抱かれ脳軟化症で死ぬ。
Charles Baudelaire