酒造り数取唄
一. 始まる月はお正月
二. ニッコリ笑った娘の子
三. 山鳥やまどりや尾が長い
四. 島田に甲笄奴に堤燈
五. ごそづく鹿の子の長いまき
六. 六助起きて山へ行け未だ眼がさめぬと大欠伸
七. 七面鳥は唐の庭鳥
八. 八高大師は釈迦の曾孫
九. 燻りかえった今朝のこしき番
十. 重源寺のどら坊主、お経が嫌いで女好き
十一. 紺田屋の藤市さん
十二. 十二薬師が寅薬師
十三. じらさん港は十三港
十四. 島田が未だ早い
十五. 十五夜月は夜に余る貴男の 子は手に余る
十六. 十六小豆は畦を這うお前の親父は寝間を這う
十七. 小柳 しゃなりとおい出でよ
十八. 尾にも十八番茶も出花
十九. ジュウクジュウクと雲雀があがる
二十. 二十となれば兵隊検査年
数 取 唄(備中杜氏)
南部など全国の杜氏によってそれぞれ唄われた数取唄、数え歌があります。それは仕込水の数量を間違わないよう、数合わせとして唄われたものですが、蔵人たちの苦しく単調な労務を盛り上げる意味があるようです。
なかには卑猥な歌詞が含まれていることがありますが、それは勇ましい男社会での作業唄ゆえ、やむをえませんか。ここでは備中と丹波の杜氏の酒造り数取唄を紹介します。 由 無
参考:『灘の酒』(神戸新聞出版センター)
阪田美枝『定本・日本の酒造り唄』
数取り音頭(丹波杜氏)
一に始まった鶏の一穴
二で日光は天下の宮
三本松は伊丹の遊女
四方殿は但馬守
ごそごそするのは薮いたち
六甲山は灘の禿山
七面鳥は唐の庭鳥
八ちん棒は蛸の足
九郎判官源義経
東照権現家康公
十一誉田屋
十二薬師
十三法華
十四の春から独りは寝られぬ
十五の夜明け
十六羅漢は働かん
十七観音
十八番茶も出花
十九は愛宕
二十は恵比寿