日本酒民謡集
論語孟子を読んでも見たが
酒を飲むなと書いちゃない
酒は飲め飲め
下戸の建てたる倉はない
どうでこうなりゃデッカイ事なされ
親爺質において酒を飲め(デカンショ節)
酒飲みは如何なる花の蕾やら
行先毎にさけさけと云う(安芸平句歌)
酒は飲まんせ一合や二合
お神酒あがらぬ神もない(志摩)
腹が立つ時あ茶碗で酒を
飲んでしばらく寝りゃ直る(山口)
箱根八里は腕でも越すが
越すに越されぬ居酒屋の前(馬子歌)
飲めぬお前と知りつつついで
一口すけたい下心(越後米山甚句)
酒は飲んだが肴には何やの
新茶の葉をば酢和にしよの(安芸田植歌)
燕が酒屋のは破風に巣をかけた
夜があければ良い酒出せと囀るや(最上地方)
雪の白酒売りに出る
びっくりするのが富士の山(最上盆踊り歌)
わしとお前は諸白の手樽
仲のよいのは人知らぬ(豊前)
酒もさまざま伊丹諸白男山君の召すのは
鶴亀菊酒われらが飲むのは茶碗酒(武蔵軽井沢節)
死んだ後やいらぬ
新酒五勺でも今頼む(佐渡越後甚句)
お酒を詠った民謡は日本の各地で歌い継がれてきましたが、残念ながら若い世代にはなじみが薄くなっているのではないでしょうか。
幸いなことに、東京農業大学内の醸造博物館館長であった住江金之さんが昭和37年に著された『日本の酒』という本に、各地の酒の民謡が収載されていますので、以下に一部を紹介します。
酒飲みの楽しい気分を反映しており、歌うことによって酒宴は一層盛り上がったにちがいありあません。 由 無
参考:住江金之『日本の酒』