和歌と同じ三十一音節で成り、時勢や権威を
 風刺する狂歌においても酒は詠われており、ここにその
江戸狂歌の代表作家の作品を紹介させていただきます。
 大田蜀山人は天明時代に花開いた狂歌界を率いた狂歌師で、四方赤良の雅号ももつが、実は幕府の下級武士、大田南畝
(1749〜1823年)が昼の顔でありました。
蜀山人は小倉百人一首の替え歌(パロディ)も創作しており、 「もじり百人一首」として伝えられています。    由 無
    参考:蘆間蟹彦編『蜀山先生狂歌百人一首』
       藤井乙男編『蜀山歌集』
       野崎左文校訂『万載狂歌集』

     
吟醸抄 
蜀山人の酔狂歌
創作句集 
酒の詩歌句集目次
朝もよし昼もなほよし晩もよし その合々にちょいちょいとよし
なには津にさくや此花寒づくり 今をはるべと匂ふ一壼
うま酒の壼うま場にてみるときは 心の駒もいさみたて髪
山まゆのいとひきいだすかひこ庵 酔ひての夢は蝶とこそなれ
昼中に月蔵坊の門とへば まづ盃に酒のなみたつ
屠蘇の酒曲水花見月見菊 年わすれまでのみつゞけばや
咲きしよりうつらうつらと酒のみて 花のもとにて廿日酔ひけり
花にゑふ去年の春より今年まで のみつる酒もはかりなき山

寒き日は酒うる門にむれゐつゝ さかなもとめて酔へる市人
菊の酒白衣はおろか入船の こもかぶりさへみえぬ此比
品川の海にいづこの生酔が ひらりとなげし盃のかげ
さつきまつ竹の酔ふ日に酒やめば 七賢人も中やたへなん
龍田山去年のしをりは林間に 酒あたゝめてしれぬ紅葉
酒のめばいつも慈童の心にて 七百歳もいきんとぞおもふ
何にせいかにせいとては酒をのむ 寿命をのぶのいもととは猶

花見酒酔ふてはいづる醒が井の 雨の垂井に風の手おどり
正つらのやうにむす子に酒のめと 教のこさん桜井の宿
酒かめもしばし舟とめかつ酌まん 夏の日ざしの永き代のはし
さかづきをむかふの客へさしすせそ いかな憂もわすらりるれろ
玉だれの小がめの酒をくみ見れば あめが下みな養老の滝
酔い伏してへどをつき夜であるものを 闇い宵とは誰かいふらん
好きならば随分酒は飲むがよし のまで死んだる義朝もあり
徳利はよこにこけしに豆腐汁あまりてなどかさけのこひしき
   
わが禁酒破れ衣となりにけりさしてもらはうついでもらはう 
世の中に酒というものなかりせば何に左の手使うべき
世をすてて山に入るとも味噌醤油酒のかよいぢなくて叶はじ
友もなく酒をもなしにながめなばいやになるべき夜はの月かな
淡路島かよふ千鳥のなくこゑに又ね酒のむすまの関もり
元歌:淡路島かよふ千鳥の鳴く声に いく夜寝覚めぬ須磨の関守(源兼昌)
天明時代の江戸狂歌師の面白雅号
 酒上ふらち・酒上熟寝・子子孫彦・もとの木あみ・無銭法師・ 三畳たたみ・くさやの師鯵・あけら菅江・臍穴主・かべの仲塗・石部金吉・富士鷹なす・蛙面坊
天明時代の江戸狂歌師の面白雅号 
 酒上ふらち・酒上熟寝・子子孫彦・もとの木あみ・無銭法師・ 三畳たたみ・くさやの師鯵・あけら菅江・臍穴主・かべの仲塗・石部金吉・富士鷹なす・蛙面坊
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