湯崎 息
(俳句淀風庵)
募 金
北海道の冷害農民にご同情くださ〜い
女子学生が叫んだ
12月の空の暗さ 風は冷たかった
四角い募金箱が震えている

どうか北海道の……
「人間はこんなに冷淡なの? それともみんな貧しい 人々なの? でも私達がやらなければ」
彼女達はささやきました

寒さと飢えの北海道の……
一人の男がポイと10円玉を入れた
ありがとうございました
「情厚い人、勇敢な人」
みんなの白いタスキがひらひらしました
風はほんとうに冷淡です
いちばん勇敢な彼女達は歯をくいしばりました
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本を売る学生
快を求めて夜が来る
西の都の大胆さ。
丘の上、会場の玄関口
本を売る学生
その瞳の湿っぽさ。
劇はおなじみモリエール
おどけおどけて枯れ葉が散ると
秋を忘れた観客は
ゲラゲラゲラと大笑い。

○○大学△△祭り
吹かれ吹かれて学生は
パンだ女だ就職などと
昇り降りする階段に
無情の墓石を刻もうか。
売れない本が月のように白い
恋の昇華の芸術の
二つの欲の葛藤だ
主観と客観
ケセラセラ
女性美と男性美
詩三篇
○○大学文芸部。

受付けはあちら
お二人様ですね
ただいま彦市ばなしをやってます
プログラムはいかが?

売れない本を売る学生は
月のように寂しい。
けんか/真鋳の男
きつねうどん/かばん/ラーメン
酒歌つれづれよしな記